第三回 未収金対策に必要なのは「排除」ではなく「仕組み」

◆医療提供を止めない為の現実解

前回までに見てきたとおり、外国人医療費未収金の問題は、特定の条件下で発生する構造的なリスクです。 では医療機関や社会はどのように対応すべきでしょうか?

まず明確にしておきたいことは「外国人患者を受け入れない」という選択肢は現実的ではないですし、人道的に考えてもあり得ないという点です。

医療は人命に直結する公共性の高いサービスであり、国籍や滞在資格のみを理由に医療の提供を拒むことは、医療倫理・社会的要請の双方から困難です。

つまり、拒むという事があってはならない為、必然的に医療費の未収金問題は発生せざる得ない状況とも言えます。

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◆三つの考え方

一方で未収リスクを医療機関が無制限に引受け続けることも持続可能ではありません。

必要なのは「善意」や「現場の努力」に依存しない、制度としてのリスク分散です。

具体的には以下の3つのような考え方が重要になります。

◇第一に、事前・初期段階でのリスク可視化です。 保険加入状況や支払い手段を可能な範囲で確認し、説明可能な部分は早期に説明する。これは患者排除ではなく、トラブ   ル防止のための最低限の情報整理です。

◇第二に、医療機関単独で抱え込まない仕組みの構築です。 未収リスクを外部に移転・分散する仕組み(保証、保険、決済手段の多様化等)を組み合わせることで、医療機関は本来の役割である医療提供に集中できるようになります。

◇第三に、公的・民間の役割分担です。 行政が制度設計や指針を示し、民間が具体的なオペレーションを担う。どちらか一方に過度な責任を負わせるのではなく、補完関係を前提に設計することが不可欠です。

 

重要なのは、未収金対策を「コスト」や「防御策」としてのみ捉えないことです。

医療機関の経営が安定してこそ、地域医療は持続し、結果的に患者にとっても安心できる医療環境が保たれる訳であり、外国人医療費未収金の問題は、社会の分断を生むテーマではなく、医療を守るための制度設計の問題です。

感情論や排他的な議論に流されるのではなく、データと構造を踏まえた冷静な対策こそが、今求められているのではないでしょう。

その点一つの対策として、ナップメディカルを医療のスキームそのものに組み込まれていく事は極めて自然であり、病院経営を持続していくには重要であると考えております。

多くの病院が、この持続可能な形を構築していく事が、未来の病院の形であると私は考えております。

是非、未収金問題に悩まれている病院関係者の皆さまには、この問題を解決するべく一つの方法論として、捉えていただければ幸いです。

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