はじめに

近年、訪日外国人(観光目的・短期滞在・ビジネス等を含む)が増加しています。

一方で、国内医療機関において「訪日外国人による医療費の不払い、未収金発生」の報告も増えており、従来の「国内居住を対象とした」医療制度設計では想定しきれないリスクが顕在化しています。

たとえば、厚生労働省のウェブサイトでは「訪日外国人受診による医療費不払い防止対策に関する講演会・報告システム」が設けられており受診後の未払い情報を収集し関連機関と連携していることが確認できます。

ここでは外国人受診者の不払い・未収金問題について課題と現行の対策、政策に合致した当社からの提案について3に分けて寄稿します。

政策背景:閣議決定も検討事項に

上記のような状況を受け、政府レベルでも対応強化の方針が示されています。 

例えば記事では石破内閣時代の2025年6月13日に閣議決定された『骨太の方針2025』では国外から

の受診・保険適用の在り方などの検討を含む「外国人との秩序ある共生社会の実現」に向けた取り組みが盛り込まれました 

つまり、ただの現場課題ではなく国の医療・社会保障政策として在留外国人・訪日外国人の保険適用・納付・未払いリスクを含めた制度の見直しが検討されているということです。

これらの課題は今後、高市内閣において小野田紀美大臣が辣腕を振るっていただけると思いますが、なぜ「訪日外国人=未払いリスク」が注目されるのでしょうか

1. 滞在目的・在留資格・保険加入状況が多様で受診前の支払い能力・支払い意思を把握しずらい
2. 短期滞在の観光客・ビジネス客など保険未加入・支払い保証なしで医療を受けるケースがある
3. 医療機関にとって「診療⇒請求⇒回収」が想定通り進まず未収金化するリスクが高まっている
4. 国内制度としても保険料未納・保険適用外治療・高額医療の課題と合わせて外国人分の負担・整理が未成熟である

問題提起

このまま放置すれば国内医療機関の健全な経営に影響するのみならず、医療制度全体への信頼・持続可能性にも影響を及ぼしかねません。

特に訪日外国人数の増加を前提とした観光・インバウンド政策と医療制度が齟齬を起こしている状況にこそ注目すべきです。

次回では具体的なデータ・事例を見ながら「どのような形で未収金が発生しているか」を整理します。

ナップメディカルではこれからも、病院様のお役に立てる保証を常に進化させていきたいと考えております。

 

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